適正な価格設定とは?

先日、テレビのローカル局で、小さな町で商売をしている人たちのお店を紹介している番組があった。

 

紹介されている各店舗の商品の安さに驚くとともに、「価格」の意味を考えさせられた。

 

例えば、お菓子屋さんのアップルパイ。地元のリンゴをコンポートしたものを入れて焼きあげたパイが150円。生地やバターの素材はわからないが、いくらなんでもあのサクサクでリンゴの形が残り風味が伝わってくる手作りのパイが150円とは。

 

また、別の店の肉屋さんの肉団子。大き目の肉団子をコロッケのように揚げたもの3個を串にさして1本100円。売るときにとろみをつけた甘酢の餡をつけてくれる。サクサク感を残すために後でつけるのだそうだ。

手間暇ををかけて作っているものが100円とは。

 

おそらく、都会の価格の半分以下の価格設定ではなかろうか。

いくら土地代が安いとはいえ安すぎないか?本当にそれで商売が成り立っているのか?自らの商品価値を過小評価しすぎていていないか?

その素晴らしい価値をわかっていないのはとってももったいないことだと思った。

 

価格設定には基本原則があると言われている

①原価から価格を設定する方法

②市場から価格を設定する方法

心理的価格を設定する方法

④戦略的価格設定する方法

 

でも、このような原則をもとに、いくら利益を上げようかなどと戦略的に価格を設定しているわけではないだろう。

 

地域の人たちが、いつでも手軽に買えるような価格で、店がやっていける程度の利益がでればそれでよしという価格設定なのだろう。

 

とってももったいない価格設定だなと思って見ていた。

でも、見ているうちに、やっぱりあの価格設定こそがあの地域でベストな価格なのだろうなと感じた。

買いに来る地元のお客さんも店の人も、とってもにこやかで幸せそうな表情をしていたからだ。

もしかしたら、これこそが昔ながらの商店街の姿なのかもしれない。

 

ネット社会の今、地方に眠っている素晴らしい商品をネットで販売したらさぞかし儲かるのではと思ったりしたが・・・

でも、きっとあの商店の人たちは、そんなことより、地元の人たちに愛される店でそれが続けられればそれでよしということなのだろう。