アナログラジオから人生を思った

アナログラジオからふと人生を思った。

 

昔のラジオはアナログでダイヤルを回して局の周波数を合わせていた。

今はデジタル化されていて、局の周波数が登録されたボタン一つでチャンネルのように簡単に切り替えられてとても便利だ。

 

でも、昔はアナログを不便とは思わず、地方に住むわたしは、東京の局(ニッポン放送文化放送TBSラジオなど)を聴くためにダイヤルを回してチューニングするのが楽しくもあった。

勢いよく回して針を移動させ、目的の局が雑音にまぎれて聞こえてくると、そこから微妙に調整しながらはっきり聞こえる位置にあわせる。その絶妙な調整加減が楽しくもあった。

 

ある時はダイヤルを回している途中に、想定していなかった東海地方や関西地方の局に出合い、面白い番組を発見したりすることがあった。偶然の楽しい出会いや発見がラジオを聴く楽しさを倍増させた。

ダイヤルは一見不便なようだが、ある意味豊かだったなと思った。

 

ふと思った。

人生も似ているのではと。

目的(=ピンポイントで局を選択する)を達成することは大切だけれども、その途中の偶然の出会いや予期せぬ出来事との遭遇によって、人生が豊かになったり予想外の成長につながるではないか。

 

目的のために頑張って、過程がまどろっこしいから短縮しようとか、楽をするために省略してしまおうなどと思わずに、もっと過程を味わい楽しむくらいの余裕を持たなければと思った。

 

もしかしたら、その過程にこそ自分にとって本当に必要なものとの出会いや、心を豊かにしてくれるものがあるのかもしれないのだから。