先日NHK BS のガイロク(街録という、街頭で一般の人に「人生のピンチ」の出来事をインタビューする)という番組を見た。
その中で、下北沢でバーを営む女性の話が、小説でない「実話だからこそ」の驚きがあった。
その女性の話とは・・・
20年以上前、勤め人だった彼女は、自分が組織で働くことが合わないとずっと悶々としていた。
ある夜FMラジオから流れてきたホリー・コールが歌う「コーリングユー」という曲を聴いた。曲と歌声が落ち込む彼女の心に深く響いた。同時に新しい道に進むよう背中を押された。
彼女は、以前から仕事で疲れた人たちの憩いの場としてのバーをやりたいと思っていたがふんぎりがつかずにいた。ホリーの歌をきっかけに下北沢でバーを開くこととなった。店名を「ホリー」とした。
開店当初は知人が来てくれたが、時間が経つと客足が途絶え、店を続けるかどうか迷う状況に陥ってしまった。
経営的にピンチが続いていたある日、突然ホリー・コール本人が店を訪ねてきた。来日公演の際に自分の名前を冠する店のことが気になったから寄ったのだという。
想定外の突然の訪問者に店主は驚き、自分が店を始めたきっかけや店の現状を伝えた。すると、ホリーは彼女をハグし、ホリー自身が困難を乗り越えた話をしてくれた。
ホリーはデビューが決まった直後に交通事故に遭い、あごの骨を骨折したという。歌えなくなるかもしれないという状況に陥ったが努力して道を開いたのだと。
店主は、この出会いをきっかけに店を続ける決意をした。
困難を乗り越えたホリー本人との出会いでパワーをもらったこと。
そして、今後ホリーが来日した際に店に寄るかもしれず、彼女の名前の店がなくなってしまってがっかりさせるわけにはいかないと。
小説なら「へえ~!」とちょっとは驚きつつ、「いやいや、現実にはそんな偶然は起こらないから」と半分白けてしまう場面かもしれない。
しかし、これは現実に起こった話・・・
信じられない現実。こんな奇跡的な出会いって本当に起こるんだと素直に感動できる。
歌を通じて人の思いが織りなす一連の出来事が「一枚の織物」という作品になったという感じがした。その素晴らしい作品に出会えた喜び。
「現実」半端ないって❗️
NHKガイロク(街録)
(82)「奇跡的な出会い」「母の手紙」...4つの人生物語 - ガイロク(街録) - NHK
Calling you Holly Cole