先日、知的で話題が豊富な方二人とZoomで話す機会を与えてもらった。
何気ない会話が、いろんなことを考えさせてくれる。とてもありがたく貴重な時間だ。
そんな何気ない会話から、また一つ考える機会を得た。
会話の中で、ジャズピアニストのジャックルーシェの話題になった。
すっかり記憶から抜けてしまったピアニストだったが、20年ほど前にトヨタクラウンアスリートのCMに使われていた演奏「無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調プレリュードBWV.1007」のことを思い出した。とても刺激的な演奏だった。
懐かしくなり早速CDを手に入れて20年ぶりに聴いてみた。
すると、自分の記憶の中のイメージとは随分違っていた。
記憶では、力強く刺激的なベースに畳みかけるようにピアノがからんでドラムがグイグイ引っ張るスリリングでパワフルな展開をしていくイメージだった。
が、久しぶりに聴いてみると、思ったより大人しくて地味な感じがした。これでクラウンアスリートという高級でスポーティーな車のイメージを表現していた?
どういうことなのだろう。単なる記憶違いか。
いや、時代が進化しているということ?自分が変化しているということ?
昔に比べると、今の世の中は、何でもより刺激的でテンポも速くパワーアップしているような気がする。車はもちろん、音楽なども。
だから、今の世の中の感覚をベースにしてバイアスをかけて昔の記憶を作ってしまうのかもしれない。
ふと思った。
昔のいい思い出や記憶って、もしかしたらあてにならないのではと・・・
いい思い出だったと記憶しているつもりが、気づかないうちに環境や自分の心の変化によって増幅や変更されてしまって、実は自分の都合のいいような記憶に変わっているのかもしれない・・・ちょっと心配になってきた。
皆さんにとっての「いい思い出」は、今どんな感じで受け止めているものでしょうか・・・?