心の変化と時間

今年最後の読書は、東畑開人さんの「なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない」(新潮社)で終わった。

公認心理師である東畑さんが、個人化した社会で幸せに生きるためのこころのありかたを物語を使ってわかりやすく書いてくれたとても有意義な本だった。

 

有意義でありながら、私がとっても惹かれたのが、あとがきにあった「心は一瞬で変化するときは危うくて、かけた時間の分だけ変化するのがいい。」という言葉だった。

(東畑さん、伝えたかった本文でないところに惹かれてすみません。私のフックにその一文がしっかり引っかかったんです。)

 

自分の体験とこの言葉が重なってとっても「心」に響いた一言だった。

 

私自身、これまで心理系のワークショップに参加したり、コーチングを受けたときに、「ああ、わかった。そういうことだったんだ」と気づいて変化したつもりになったことがあった。

 

でも、一瞬でわかったつもりになった気づきが、後から振り返るととんでもない勘違いだったことがあった。とっても未熟で独りよがりだったと思うこともあった。

 

気づきを受け止めて、時間の経過の中で発酵させ熟成させていくなかで、または、経験に晒されてより深い気づきに変化したときにこそ、心に染み込みしっくりとなじんでいくのだと思う。

 

来年は、あわてずあせらず、より視点が広がる深い気づきが得られるよう、「時間」を味方にしようと思う。

 

今年一年、きわめて個人的でつたないブログを読んでいただきまして本当にありがとうございました。

どうぞ良いお年をお迎えください。