マーヴィン・ゲイの「マーシー・マーシー・ミー」という曲を、中学生の頃に好きでよく聴いていた。
ちょっと影があるけれど、透き通って流れるような歌声。心地よいリズミカルなギターと心にストレートに訴えかけてくるサックス。とても好きな曲だった。ただ、当時は、英語がわからず曲の感覚だけを味わっていた。
最近になって、その歌が環境問題をテーマにしていたことを知って愕然とした。
あのしっとりした軽快さが、どうしても環境問題とは結びつかなかったからだ。副題が「エコロジー」だったということも今更ながら知った。
彼が歌に込めたメッセージに気づけず、ただ表面的に曲を受け止めてわかったつもりになっていた。
今回、この見当違いを通して、別のことに気づかされた。
それは、人と接するときのことで・・・
自分の勝手な解釈や思い込みで、相手のことをわかったつもりになってはいけないということ。
例えば、相手が笑いながら、「あの時は、ちょっとだけ大変だったんだよね。あはは!」と言ったときに、その笑いながらの軽い感覚につられて、「そう大したことはなかったのか」と思い込んではいけないということ。
至極当たり前のことで、何を今更と言われそうだが・・・
表面的なことではなく、その人の言動の背景にある、本当の気持ちを理解しようとしなければならないのだ。
特に傾聴する時、自分のすべての感覚を研ぎ澄まして、全身で相手の気持ちを聴かなければならない。「わかったつもり」になっていないか、常に自分を戒めなければ・・・そう思った。
「Mercy, Mercy Me / by Marvin Gaye」