満月とフォーカシング

今から7年以上前のこと。心理を学んで2年目の出来事。

 

フォーカシングを学んでいて、日常で何か気になるものや出来事がある都度、心の中の言葉にならない「なにか」を言語化する練習をしていた。

 

残業が続いていたある夜遅く、車で帰宅する途中のこと。

真っ暗な田んぼ道がまっすぐ続く先に、満月がぽっかりと浮かんでいた。

静寂の中に浮かぶ満月。空と夜道をうっすらと照らしている。

 

運転しながら、その満月がなぜかとても気になった。

気になる「なにか」をフォーカシングしてみた。

 

「落ち着き」、「やすらぎ」、「平和」、「安定」・・・言葉は浮かぶが、どれもしっくりこない。あれこれ考えている間に家に着いてしまった。

 

数日後、突然「ああ・・・」とある思いが浮かんだ。

 

自分が学んでいる心理学の先生は、様々な悩みを抱える人のためにワークをやっていて、多くの気づきを導いてくれている。

自分も多くの気づきを得て、新しい生き方を考えるようになった。

 

また、先生は一般の読者向けにたくさん本を書いて、生き方に悩む人たちの心の支えになっている。

 

その先生のことを、悩める人にとって、道を明らかにしてくれる太陽のような存在だと感じていた。

 

その感じと数日前に見た満月が重なり、ふとある思いが湧いてきたのだった。

 

 

なるほど・・・自分は無理に自分が輝かなければ、とあせらなくていいんだ。

先生が世を照らす太陽なら、自分はその先生の光を受けて暗い夜を照らす存在になればいいのでは・・・

(今思うとちょっとおこがましいというか、身の程知らずというか・・・)

 

月は自ら輝いているのではなく、太陽の光を受けて闇夜を照らす。

その光はうっすらと前が見えるくらいの弱さだが、真っ暗な中では大切な存在だ。

そして、真っ暗な中にぽっかり浮かぶ満月があることの安心感。

 

自分は、そんな存在になればいいのでは、いや、そういう存在になりたいと思った。

 

半年前に受けたワークで、自分の進むべき道(ミッション)は、悩む人の支えになることだと腹の底からわかったばかりだった。

 

その気づきと、満月からの気づきが一つになった瞬間だった。

 

 

なのに・・・

あれから7年以上経つというのに、何にも形にできなかった(行動してもうまくいかなかったというのもあるが)。

 

でも、ようやくそれを形にできそうな、針の孔ほどの光が見えてきた。