「ことば」が心の奥底に眠っているものを呼び戻してくれる

雪が積もって、ついに冬到来です。

厳しい寒さが続くので、しっかり防寒対策をして風邪をひかないように注意しなければなりませんね。

 

さて、先日「書こうとしない『かく』教室」いしいしんじ著を読みました。

 

上手に書くための指南書かな?という安易な気持ちで手に取った本でした。

でも、この本は、書くためのテクニックを教えてくれるのではなく(もちろん参考になることも沢山ありましたが)、書くことの意味と大切さを教えてくれた本でした。

 

書くことが生きることに繋がっているということなんですね。

じゃあ、書かない人は生きることを実感できないのか?と言われると、そうじゃなくて、書くことによってより深く生きることを知ることができるということなんです。

いしい氏がいう書くことの意味が、私が以前教わった大学の心理学の教授が仰っていたことやワークショップで取り組んだことととても似ていたことから親近感を覚えました。

自分が気づいていない自分を、ことばを垂らすことによって、心の奥底に眠っているものが呼び戻されるんですね。

ちょっと言葉がずれてしまうかもしれませんが、思いもよらない自分に気づかせてくれる、そして深く生きることに繋がっていく。

本当にワークショップで取り組んだことと形は違っても中身は同じだと感じてびっくりしました。

 

以下、いしい氏の文章を抜粋します(一部省略させていただいています)。ちょっと長いのですが・・・

 

「(途中省略)ぼくが勧めたいのは、どんなことについても、自分の中にことばを垂らしてみること。すると、ほぼ必ず、それまでの自分が思ってもみなかったなにかがくっついてきてくれます。

遊びの瞬間でも、お父さんお母さんとご飯を食べているときでも、夫婦2人で黙って散歩しているときも、こころみに、あることばを自分の中にすっと垂らすと、自分のなかから、それまでになかった光が射し、外にあふれてくる。ひょっとして、こういうことは、生きていていちばん大事なことなんじゃないか、とぼくは思います。自分の中にある、眠っているものをかきたてながら生きていくというのは。

ずっと自分の外にあるものばかり見て過ごす暮らし。もしかしたら、僕たちはこの10年20年このかた、コンピューターのディスプレーなのか、旅行ガイドなのか、金融のデータの数字なのか、外にあるものをずっと見て、見せられて生きてきた。そのことに何の疑いももっていなかった。それがいま、こういうリモートの状態で、家にこもって過ごすようになって、ふと、家のなかにいろんなものが眠っているのに気がつくのと同じように。自分の奥底にもこんなにいろんな宝物が隠されていたことを知る。そのためのいちばん強力な磁力、釣り針というのはことばなんですね。

ぼくたちはずっとことばを使って、ことばを交わして、ことばでいろんなものを自分の中で収めていきます。それはいつしか、ことばの形をほどいて、意識の水底へ、ゆっくりと沈んで目に見えなくなります。でもそれは消えないんですよ。目に見えない、ことばになっていない記憶や未来からの光が、実はぼくたちの生を底から支えている。『かく』ことは、自分の本当の生を、ことばのかたちで取り戻すことにほかならないのです。」

 

以上です。

 

どうでしょうか。

なんか書いてみたくなってきませんか?書くことがワクワクしてきませんか?