気持ちは文章に表れる

 

暑中お見舞い申し上げます。

異常な猛暑が続く夏ですがお変わりなくお過ごしでしょうか。

 

暑い時は家で本を読むに限るということで、
先日、かつてミュージシャンだった人が書いた本を読みました。

 

内容は、オリコンで1位を獲るほど活躍していたミュージシャンが、ある日突然声が出なくなる病気になってしまい、歌手を辞めてどう人生を切り開いていったかという話でした。

 

自暴自棄になりながらも友人や家族の支えがあり、自分を取り戻すことができて、そこから新しく生きるために努力していく・・・というストーリーに引き付けられました。

 

歌えない自分がこれからどうやって生きていくか。家族もいて家も建てたばかり。

これまでのプライドを捨てて、冷静に自分が好きなこと・得意なこと・求められていることは何かを突き詰めていく。

 

その結果、好きな音楽にかかわり続けるために音楽イベントのプロデュースをしたり、寂れつつある地域をなんとかしたいという気持ちから行政を巻き込んで地域おこしの活動をしたりすることになりました。

どちらも大成功してたくさんの「ありがとう」をもらいながらさらに発展しているという話でした。

 

とても感動する人生・・・なのに、心にほとんど響いてきませんでした。

熱い人のはずなのに、本からはその熱が全く伝わってこないのです。

 

どうして?

この本を本人が書いていないからだと思います。

 

勝手に判断してはいけないとは思うのですが、かつてよくあった芸能人が書いた本(いわゆるゴーストライターが書いた本)と文体がそっくりで、型にはめて完成させたという感じがしました。

 

目の前に名作の油絵があるのに、あえてカラーコピーしたものを鑑賞している感じ。

 

とてももったいないと思いました。

が、今回、文章は単なる情報を伝えるだけではなく、その人の心を乗せるものなのだということを改めてわからせてもらえました。

 

そういうお前の文章はどうなのか?

読んでくださっている方はきっと感じておられるのだろうな・・・恥ずかしくもあり怖くもあり・・・

 

気持ちが乗らない文章を書かないようにしなければと戒めた次第です。